海賊王になりたい

 今回は海賊デッキの話をしよう。



 海賊デッキといえば、最終形は尖兵+サラマンの形とされた。
 尖兵で先制しつつ、勝利効果を稼いでおけば後々動きやすい。
 勝たせたい海賊(女海賊、海賊子分)に使い勝手のいい戦闘補助は、翼竜とサラマンぐらいのもの。サラマンにどっぷり依存しつつ、いつもの青い汎用補助で勝ち抜ける構成。
 単体では弱い尖兵をサラマンで無理矢理勝たせて船に繋げられる動きも強い。



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 しかしバランスはいいものの、第一線級のデッキかといえば、そんなことはない。
 青赤サラマンというジャンルがカーコマ全体のインフレについていけていない部分がある。
 カーコマプレイヤーなら誰しも手垢がつくまで使い古したデッキだろうから、手の内はモロバレ。
 踊り子ソドマス+サラマンが隆盛を極めていた時代は赤青デッキの代名詞だったが、
 今では青赤といえば水先イフリート。
 水先案内人がL3になってからはヤドクガエルにカニを使うデッキも絶滅し、
 安さとシーソーの安定感をウリにしていた赤青らしさはほぼ消滅した。

 カーコマは4点のライフを奪い合うゲームだから、
・先制してから安定してシーソーに持ち込む
・コンボでライフを連取する
 このふたつが基本戦略になる。
 そしてインフレに従って後者の方が重要になっていったのではないか。
 懐古主義的なコメントとして、今のカーコマは大味すぎる、といった感想がときどき見受けられるはず。主にエメドラなんかを指していっているのだろう。
 たしかに、ロクドラ置かれてコロポ使われてエメドラ連打されたらブン回り乙という心情になるし、ギャンブラーで世界樹・魔界樹を何度も戦場に出されたらイライラするのが人情である。
 良くも悪くも、カーコマはかつてよりコンボ重視のゲームになった。
 サンタ催眠騎兵はサンタという安定要素と催眠騎兵という強いコンボが搭載されている。強いデッキとはそういうもの。実に分かりやすい。
 サラマンの系譜は爆発力に欠ける。インフレについていけてないというのは、そういう意味である。



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 ▲一周回って正当派とは何なのかを見失っている感じのレシピ
  そもそも当時はクリーチャーのサイズが似通ってて、初手はなんでもいいからだしておいて、あとは補助の駆け引きだった?
  一応定義すると「サラマン3、ランプ2、L2枚数17±1でL1もそこそこ多め」て感じか。
  構成上漁師はいれにくかったが同じサイズのサンタが登場したせいでタコやニワトリ、プリンセスといった機能性L1が死んだ印象。



 最近ではまさに正当派という感じの青赤L2バーンは息をしていない。
 L2バーン以外にも頼れるギミックを搭載しているものだ。それはたとえば踊り子ソドマスだったり、サンタ騎兵催眠だったりした。
 そのギミックに海賊をチョイスするのは自然な発想に思われる。主力である女海賊はL2だしドローもこなしてくれる。鬼に金棒ではないか。

 ところがどっこい、上記の海賊デッキには ひとつ 致命的な構造欠陥がある。
 それは初手L2の動きにある。

 まずL3と対面した場合。L2はL3よりも小さい。無補助で勝てないがゆえ、補助を使わざるを得なくなる。
 初手女海賊がマグマ男と対面したとき、どんな気分がするだろうか。クマや吸血鬼も相当しんどい。ケンタウロスのサイズでもいい気分はしない。
 しかしこれはマシなパターンだろう。こういった状況を打開するためにサラマンを入れているのでもあるし、うまくすれば初手L3の方を圧倒的不利に追い込める。
 ただ、正当派サラマンデッキがランプの精からスタートできるのに対し、海賊デッキは海賊が優先される。L2の枚数が揃わず、サラマンの火力不足が懸念される。

 次にL1と対面した場合。L2はL1より大きいが、補助を打たれると負けることもある。漁師+天狗の組み合わせのような強い動きに対応できない。では、漁師が戦場にいるからといって天狗を恐れてサラマンを撃つだろうか? 無補助でぶつかり合えば勝てるのに、貴重なカードと魔力を消費していては勝てるゲームも勝てなくなる。
 つまり速攻系のデッキに対してL2のステータスはそんなに大きなアドバンテージにはならない。
 これが正当派のサラマンデッキならどうか? L1対策にウミガメ、火竜の首がある。イニ次第ではゴブパラも強烈だ。

 海賊を組み込んだことにより、正当派サラマンでできていたことができなくなってしまっている。
 そもそもできることが圧倒的に少ない。おおよそ海賊コンボとサラマン、この2通りしかない。
 サラマンに依存しているが、初手尖兵(1ターン目)→続けて女海賊(2ターン目)と出すとサラマンを撃つ魔力がなくなり、次に打てるのは2ターン後(つまり4ターン目)である。対戦相手がウミガメで尖兵を戻すだけで絶望的な状況となる。

 肝心の海賊コンボも微妙なところがある。
 先手を取って畳みかけているうちはいい。連勝の果てにファッティ(海賊船)がコストを踏み倒して出てくるのだから、そりゃ強い。
 しかし後手を引くと、そもそも勝利回数が満たせずコンボ不発となったり、コンボパーツを集める余裕がなかったり、船のサイズがすでに頼りなく感じられる状況となっていたりする。

 結果として、引けども引けども使用効果のない海賊カードか、そのターンに即有効とならないランプの精ばかりだったり、引いたとしてサラマン(もう100%読まれているカード)で、見せ場もなく敗北する。



 以上をもって、上記の海賊デッキは、まだまだ完成形とはほど遠いと判断する。
 序盤の動きは練られているのでたたき台としてはちょうどいいが、安定性を追いすぎているように思う。

 カーコマは安定感よりも爆発力が重要ということではなかろうか。
 最低限の安定性を残しつつ、爆発力をギリギリまで追いたい。
 具体的に言うと、
 炎馬を二枚、どーしても 入れたいんじゃー!!!
 海賊コンボは船の招集と騎兵だけじゃ物足りない! 炎馬が計算の基礎に加わって初めて真価を発揮するんじゃー!!!



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 というわけで、ややロジカルな前振りとは裏腹に、意地で構築されているMY海賊デッキがこちら。
 去年は赤緑とこれをメインにカジュアルプレイしていた。



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 ▲去年は女海賊:子分=2:2だった(V)が今年は3:1にした(V2)。



 なんだかんだいってサラマンは外せないわけだが、L2の枚数が16枚未満だとサラマンの火力が物足りないことも多く、ランプの精でブーストしてからでないとつらい。
 どのみち序盤のサラマンの打点が不安定になるのなら、サラマンに依存してもしかたがない。ランプの精を使ってからが本番と考えると、意外とサラマン2枚で回るのではないか?と、サラマンを減らしてスペースをこじ開けた。
(対L3にはソーサレスでライフと引き替えに倒すとか、ゴブ戦から強引に炎馬を出していくとかもあるし)

 サメも2枚は不要。
 序盤はL2より大きいサイズのサメをプレゼントしてしまうリスクが勝る。
 終盤もイニ有りサメが美味しいシチュエーションでないことが多い。大きなアタッカーがいないせいで戦闘補助を使わざるを得ないパターンの方が圧倒的多数と考える。

 尖兵3、女海賊3の配分はかなり魅力的だったが、これの最も強い動きである初手尖兵、続けて女海賊の動きがかえって首を絞めてくるようだった。
 単にツイてなかっただけで、過剰に否定的な印象を持ってしまっているのではないかと疑ってみたが、やっぱり魔力を残せないとキビシーと感じ、尖兵の枚数を削る。
 ランプの精はコンボパーツとサラマンを揃えるために必要だが初手は海賊が優先されるから多く入れすぎてもなんだかなと考えていた。(これは多分、失敗)

 炎馬を活用したいので破壊条件を意識的に満たせるようにとゴブリン戦車、マジシャンが加わる。

 これで構造欠陥が解決したわけではないが、104(尖兵→スルー→炎馬)の動きを筆頭に、スタートのバリエーションが増えた。
 また、炎馬のおかげで爆発力も高まった。



 回り始めると海賊デッキは面白い。
 海賊を勝たせるために使った親分が騎兵のエサとなり、騎兵を打てば炎馬が飛び出し、炎馬が待機に並べば親分やサメ、イソギンの価値が高まる。つながっていく感覚がクセになる。
 騎兵の受け皿が炎馬になり、炎馬+親分のコンボの受け皿に船がある。博打のような派手な動きなのに二の手、三の手が続くようフォローが入る安全設計。
 これがあるから炎馬二枚がやめられない。



 手が来ないと悲惨なのはご愛敬。
 どんなデッキでもいえることだが、後手を引けば引くほど一点読みを迫られる。
 安い使用効果で切り盛りする青赤デッキでは特に読みを要求される場面が多く、センスがないと戦果があがらない。
 去年の戦果を振り返る限り、自分にはセンスが足りていないようであるorz

 今年、もう一度挑戦してみようと取り組みなおしてみたところ、上に連ねた思考過程を経て、結局去年作ったデッキが完成形だったように思えてきた。
 去年は世界樹をメインとしたデッキや黒緑の黒の書デッキが溢れかえっていて海賊デッキとしてはつらい環境だったんじゃないか、もう一度回してみる価値はあるのではないかと。
 しかし回し始めると、やはり序盤の造りが弱いというか、運任せというか、ムラがある。
 初手L2だと戦闘補助の価値が増すから、やっぱりサラマン3枚欲しいかも。

 あと、他のデッキより繊細なところがあるから、環境に応じてピン差しをいじる必要がありそう。
 漁師バクテリアがはやっているなら人魚メイジよりウミガメを入れた方がいいし、ゾンビ使いがいて苦戦しがちならサラマン重視にいじった方がいい。世界樹素出しやケルベロスが多いなら女海賊より子分を優先するのもいいかもしれない。





 とりあえずはデッキを使い倒して様々なパターンを習熟する。
 センスやプレイング、構築も大事だけど、デッキに対する熟練度を高める方が結果につながる。



 そういうわけで、しばらく海賊デッキを回して経験値を貯めていこうと思っている。
 (再戦でカモられそうと判断したら青緑に切り替えるけどな!!!)
 あらKの挑戦は続く。



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 それにしても、L3スタートは後続が-、トラバサミがー、うんぬんかんぬんとさんざん語っておいて、
 いざL2スタートのデッキを回し始めると、今度は「戦闘補助が必要になる場面が多く、つらい」と嘆く。
 文句いってばっかりw
 やっぱり最強は厚みのあるL1スタートのようで。漁師やサンタが強いってこと。



 おしまい。






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by cardfan | 2017-02-19 14:43 | 構築 | Comments(0)


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