今回はデッキデスに関するお話をしよう。 デッキが0枚になってターン開始時のドローができない場合、そのプレイヤーは敗北するというルールがある。 デッキがなくなって死ぬ(デス)、これがデッキデス。 となれば、相手のデッキを削りきって勝利する、デッキデス狙いの戦略が考えられる。 デッキデス狙いのデッキは嫌われがちだが、これもまたカードコマンダーの立派な勝ち方のひとつ。 初心者脱却には避けて通れない道である。 デッキデスを狙うためのカードには、電気イカ、深海魚、水使いの三つがある。 もうとっくに御存知だとは思うが、基本的な使い方を記しておく。 《電気イカ》 魔力をためて、電気イカの使用効果で相手のデッキを削る。 魔力を溜める準備段階でターンが経過するため、電気イカが炸裂する頃にはデッキを丸ごと吹っ飛ばせるだろう。 相手のデッキが残る場合は雪女で遅延する。 タイミングが非常に読まれやすいため、スライム、マグマ男、錬金術士などで応じられる可能性がある。あるいは深海魚をかぶせてくるつわものもいる。 《深海魚》 探検家や漁師で自分のデッキを削り、デッキデスで自滅寸前のところで深海魚の使用効果を発動し、デッキデスを押しつける。 こちらもあいても深海魚を同時に使うと、デッキ交換後にまた交換して元通り。プリンセスでも同様。サメには強い。 枚数0のデッキをおしつけたいところだが、それではタイミングが読まれ易いため、一呼吸早めにプレイするべきときもある。 《水使い》 ランプの精によるドローや雪女による遅延のあとにシスターでドローし、水使いの使用効果でいっきに相手のデッキを削る。 探検家や漁師で自分のデッキを削り、墓地が肥えたところでアヌビスを使用し、墓地の青いカードを手札に揃えてから水使いを使う場合もある。 さて、それでは、もっと具体的に、順を追って、デッキデス戦略を見ていくとしよう。 【深海魚→水使い】 ▲一例。このままじゃ絶対に勝てないけどな! これはたとえばの話なのだけど…… 1ターン目 タコ or 人魚運び屋(1枚ドロー) 2ターン目 ランプの精(3枚ドロー) 3ターン目 雪女 4ターン目 シスター(待機所3体回収+3枚ドロー) ……こんな具合にプレイできたとすれば、どうだろう。 デッキからのドロー枚数は7枚、ターン開始時のドローを含めれば10枚だ。 あなたのデッキはすでに半分ほどが手札に変わっていることになる。 デッキデスが実現しそうな雰囲気が漂って来るではないか。 しかしデッキがまだ半分残っているとなると、深海魚をプレイするにはまだ早い。 また逆に相手のデッキ枚数は減っていないため、水使いをプレイしてもデッキデスにはまだ追い込めない。 ところが、ここで深海魚を使ってデッキを交換し、次のターンに水使いを使えば…… そう、あなたのデッキ枚数は10枚ほど。 あなたの手札は10枚以上。 深海魚→水使いと連続して使えればデッキデスを達成できる。 (水使い二連発でもいいけど) しかし、当然ながら、あなたが手札を肥やしているあいだにも相手プレイヤーは動いており、あなたのライフのほうが先にゼロになってしまう。 (ここで対戦相手がデッキデスの動きに気付かず、自分のクリーチャーを誤爆してくれたりすると大いにたすかる……) デッキデスを狙いながらも、戦場での攻防をうまくしのがなければならない。 雪女で遅延するとか、ウミガメや首長竜でバウンスするとか、あるいはナーガで敵の強力なクリーチャーを頂戴するとか……なにかが必要になってくる。 手札を肥やすことと戦場での優位が一致する戦略はないものか…… ここでゾンビが思い浮かぶわけである。 【無効ゾンビ墓荒らし+デッキデス】 ▲優秀なドローカードであるランプの精で湯水のようにドローしてキーカードを手に入れろ! ゾンビは手札枚数が多ければ多いほどタフに戦ってくれるレベル2のカード。 いろいろと弱点はあるものの、レベル2という軽さが頼もしい。 ゾンビで墓地に落ちたカードを回収するためにもアヌビスの投入は避けられない。 ゾンビだけでは頼りないので墓荒らしも混ぜる。 黒いカードが増えたため、水使いの爆発力は失われてしまっている。 これではデッキデス戦略がオマケどころか、ちょっと機能しないような気が……。 そもそも墓荒らしやアヌビスが都合良く手札にきてくれるとも限らない……。 そこで、墓荒らしかアヌビスを必ず引いてくれるサーチカードとして、漁師を投入してみる。 ▲漁師はレベル1クリーチャーとしても優秀! 漁師を使うとデッキがいっきに削れて墓地に落ちる。 アヌビスで墓地のカードを回収すれば、あとは先ほどの【深海魚→水使い】でデッキデスが可能だ。 もちろんゾンビで戦うことも、墓荒らしで戦うこともできる。デッキデス戦略はあくまでサブプランの扱いだろう。 【探検家→アヌビス→深海魚】 漁師でアヌビスをサーチする戦略に目覚めたなら、探検家も試してみよう。 ▲このデッキこそ初心者にオススメ! 理由は後述。 漁師に比べると探検家はレベル1クリーチャーとして貧弱だが、アヌビスだけをサーチしたいデッキにとっては、大型の青いクリーチャーを投入しやすくなる。(逆に青い大型のクリーチャーを引きたい場合は漁師を入れる) ●基本の動き 1ターン目、壺があれば壺で魔力を溜める。これ大事。 ↓ サーチカード(今回は探検家)を使う。 デッキデスで自滅したくなければ1ターン目の使用は原則禁止! ↓ アヌビスが手札に来たなら、これを使用する。 ↓ 雪女で様子見。 敵味方双方の戦場、デッキ枚数、手札枚数、魔力、イニシアチブを再確認する。 ↓ 水使い発動 ↓ 雪女やシーサーペントで時間稼ぎ ↓ 相手のデッキがなくなり、勝利 ●ポイント 勝利のポイント1 魔力計算! 魔力に乏しい場面にしばしば遭遇するだろう。 シビアな魔力計算が要求される。 1ターン目からサーチカードを使うときは負けも覚悟の上で使う。 勝利のポイント2 深海魚と人魚運び屋 サーチカードの使い過ぎや運の悪さで初っぱなから自分のデッキが少なくなる場合がある。 早急に深海魚を使ってデッキデスを敵に押しつけたいところだ。 深海魚の効果は「魔力4」必要。魔力が足りていないがデッキがもう0枚というときは人魚運び屋を使って1ターン耐える。 この局面にかかわらず、人魚運び屋でデッキに潜ませるのは、たいていの場合、深海魚。手札破壊を回避するため。 勝利のポイント3 アヌビスのミイラ 墓地に13枚以上あるときにアヌビスを使うと戦場にミイラを出せる。ミイラの攻撃力とHPはアヌビスの能力発動時に選択した墓地のカードに依存する。 今回のデッキ構成だとシーサーペントのミイラが最強となる。 勝利へのポイント4 デッキデスを仕掛けるタイミング 魔力に余裕がなくなるケースの方が多いと思われるため、タイミングを選んでいられないのが実情であるが……。 しかしサメやクジラ、プリンセスや霊媒にデッキデス・カウンターを決められてしまうこともしばしばある。 勝利へのポイント5 諦めたらゲームセットですよ? このデッキの素晴らしいところはプレイヤーを鍛えてくれる点にある。もう駄目だと思い込んで投了したり、ゲームを投げても、しばらくするとふっと勝ち手段が見えてくる。「あっ、あのときアレをこうやっていたら勝っていたんだ」と。カードコマンダーの駆け引きの深い部分を学習できる造りになっている。 その造りの秘密はアヌビスにある。このデッキが運以外で勝つパターンはアヌビスを使用しているはずである。そうすると勝ったときにはデッキがほとんど全て手札に来ている。つまり、デッキの全てを余すことなく使うことになる。トリッキーなマーメイドたちが一枚刺しされているのもそのためだ。 また、デッキデスの性質上、敵のデッキを0枚にしても、こちらのライフが0にされては手遅れである。そのため、ライフの逆算思考が身に付き、自然と先を読むようになる。 余談だが、これはぼくがはじめて勝てるようになってきた頃のデッキ。 このデッキを閃くまではあまりに勝てず、勝てないとさすがに楽しくなくて、カードコマンダーから手を引いていたぐらい。 アヌビスによってデッキの全ポテンシャルを解放して戦う快感に酔うと、勝っても負けてもカードコマンダーが楽しくなった。 デッキデス戦略はそういう意味でも、勝ちを渇望している初心者に向いているのではないだろうか。 【人魚予言者→人魚予言者→探検家→深海魚】 さて、お次はトリッキーなデッキデスコンボの紹介だ。 このデッキサンプルを見て欲しい。 ▲青単色デッキなのに探検家が入っている。このままでは探検家を使うと自滅する。 知っている人には、この探検家の使い方はお馴染みのやり方だろう。 このデッキは基本的には人魚デッキとして機能する。 そして人魚デッキのふりをして、突如としてデッキデス戦略を発動するのである。 まず人魚予言者を使う。 対戦相手はなにを予言されているのか考えるだろう。 予言を恐れてコボルトなどで予言者を除去しようと躍起になるかもしれない。 しかしあなたがここで予言するカードは青以外であればなんでもいい。 (オススメはスライム、錬金術士、スフィンクス、カオスドラゴン……) 次に、もう一度人魚予言者の予言を繰り返す。 二枚目の人魚予言者を使ってもいいし、人魚兵で予言者を使い回してもいい。 ここで深海魚をデッキの一番底に潜ませておく。(深海魚だけにな!) もうお分かりだろう。 この状態で探検家を使えば、デッキの下から二番目にセットした「青以外のカード」を引くことになる。 次のターンの開始時には深海魚を引くとともにあなたのデッキ枚数は0枚になる。 深海魚を使う以外に手はない。 ▲人魚兵で有利に運びつつ、ちゃっかりデッキデスの準備をする! このコンボの鍵は探検家を使うタイミングにある。 相手の動きを見て、魔力ロックやクジラによって深海魚が妨害されないであろうタイミングを狙う。 なにしろ探検家を使ったが最後、もう引き戻せない。 (人魚運び屋でデッキデスを免れつつ魔力を溜めることはできるが) 上のサンプルレシピでは、このコンボを達成するために蒐集王によってコンボパーツを引っ張ってくる構成にしてある。 実際にはもっと人魚デッキとして動けるようにしておいた方が勝てるはず。 【探検家→弩兵】 さきほどの人魚デッキを、青単以外の方向性で発展させてみよう。 ▲探検家を使えば必ず弩兵を引ける! 探検家があれば弩兵をプレイできる確率はグンとあがる。 ゆえに弩兵を駆使するデッキ構成が可能となる。 とはいえ、今回はかなりデッキデスに偏った構成にしているのだがw 漁師とか何狙ってんだよw デッキにレベル4以上いねえぞw もちろん人魚予言者でレベル4以上をセット→もう一度深海魚をセット→漁師→深海魚!のためのコンボパーツなのだw 弩兵の待機効果を発動させるトリガーは、人魚運び屋、人魚予言者、それらを使い回す人魚兵と豊富だが、大事なのは深海魚もまたトリガーとなる点だ。 デッキデスを行うと同時に弩兵バーンも可能となり、戦場への干渉を絶やさないのである!!! (とはいえ油断大敵。イニ有りコボルトに弩兵を破壊されて戦場で負けて最後のライフを削られたことがある……orz) ▲深海魚をトリガーにして勝利! ……相手はCPUだけど。 このデッキが完成したときは、「恐ろしいものを作り出してしまった」と思ったが…… みんな弩兵慣れしすぎてないか? 恐ろしいほど勝てなかった……orz デッキデス戦略はあくまでデッキ切れの予防策として活用するに留め、もっと弩兵デッキとしての完成度を高めた方がよいだろう。 【エルフ→遅延→電気イカ】 イカを使ったデッキを紹介する。 オーソドックスな電気イカデッキであろうデッキ…… ▲まえにも紹介したやつ。例に漏れずデッキデスにかなり偏っている構成。 理想は、 壺→エルフ→エルフ→スフィンクス→コロポックル→シーサーペント→雪女(遅延&魔力稼ぎ)……→電気イカ 遅延してたらなんか勝ってたわー、というデッキ。 ていうかツボにはまると遅延し放題だ。 カードコマンダーに慣れてくるとシーサーペント3枚積みなんてしなくなるため、 それがかえって相手の計算を狂わせることになったりする。 コロポックルで増殖すると、もう何枚シーサーペントが入っているのか分からなくなる。 オルトロスなんか緑ドラゴンの餌食だし。(キメラは勘弁な) リッチうたれてもシーサーペント引いてくるし。魔力6とか余裕だし。(強がり) 白虎出されても青龍で奪うし。(かなり強がり。でも実話) ファントムなんかスフィンクスで倒すし。(先攻や死神は勘弁な) まあ正直ハンデスには致命的に弱いデス。 それ以上にカオドラの奇襲に弱かったりするが。 勝利へのポイントは、遅延やバウンスを駆使してイニシアチブを手放さないこと。 戦場でwinするぐらいならライフ1点捨てるプレイングを必要とするときがある。 【玄武→電気イカ】 玄武で魔力10になれば次のターンにはイカが撃てるだろうという戦略。 ▲玄武とも相性の良いヌー&ドルイドを採用。 魔力がありあまるので、状況に応じて手札と相談する。 あんまりテストしていないので、なんともいえない。 ぶっちゃけ、そんなに魔力がありあまるならイカ以外のコンセプトを選んだ方がいい気がする。 黒と組んで 玄武→デュラハン→キメラ or サイクロプス とか。 これでデッキデス戦略の基本はおさえたと思う。 本当に勝てるデッキデスにしようとすると、いろいろと応用がある。 最初に紹介した青単をベースに、幽霊×2、漁師×3、青い大型クリーチャー×3(青龍、ヤマタノオロチ、シーサーペント)とか…… しかし、強い人はそのような純粋なデッキデスよりも「隙あらばデッキデスも可能なデッキ」やデッキデスにかなり耐性のあるデッキを作る。 それがどんなデッキなのかは…… あなたが純粋なデッキデス戦略のデッキを使って、実体験すれば分かるw 最後に、今現在 試験中のデッキデスを公開しておく。 タコがワーライオンに捕まって涙目になってしまったが、それでもクセになる楽しいデッキ。 ▲デッキデスで勝つ気まんまん!!! ・漁師を使って高確率で青龍を引くよ! ・人魚運び屋→海神で青龍発動! 序盤はこれでしのぎたいよ! ・探検家でデッキを掘ってアヌビスを使って青龍ミイラをつくるよ! 中盤はこれでしのぐよ! ・後半はふつうに青龍をプレイできるぐらい魔力があったりするよ! ・深海魚でデッキデスするよ! せっかくアヌビスがあるのだから、青の優良クリーチャーを一枚刺しするべきなのだが…… アヌビスの先攻との相性を考えて人魚メイジとか。 だがそんなものは不純物とばかり、デッキデスまっしぐら! 以上。 それではみなさん、ごきげんよう。
by cardfan
| 2012-12-08 09:15
| 構築
|
カテゴリ
以前の記事
2020年 02月 2018年 01月 2017年 11月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 タグ
その他のジャンル
最新の記事
記事ランキング
フォロー中のブログ
カードコマンダーskype広報 こっそりカードコマンダー イチオウカイコロク 悪の日記。 黒の書架 カードコマンダー布教委員会 カードコマンダープレイヤー録 ちょうふていきコマンダー カードコマンダー備忘録 おめコマンダー^^ ワーライオンのカードコマ... ブログジャンル
検索
|
ファン申請 |
||